外壁材の種類と比較|あなたに最適な外壁を選ぶポイント
外壁は住宅の“顔”であると同時に、住まいを守る「鎧」のような存在です。
見た目の印象だけでなく、耐久性・断熱性・防火性・メンテナンス性・コストなど、さまざまな観点から選ぶ必要があります。
本記事では、主要な外壁材の種類とその特徴を比較し、あなたのご自宅に最適な外壁材選びのポイントを詳しく解説します!
目次
・外壁材の種類と特徴
・詳細比較表
・選び方のポイント
・2025年のトレンド
・費用相場
・まとめ
主な外壁材の種類と特徴
窯業系サイディング
(ようぎょうけい)
構造と特徴:
セメント質の材料に繊維質(木材繊維など)を加え、高温で焼成した外壁ボード。
表面には防水塗装が施されており、意匠性とコストパフォーマンスのバランスに優れることから、日本の住宅の約8割で使用されています。
耐久性は30~40年とされており、メンテナンスは7~10年ごとです。
初期費用は外壁材の中では比較的安価で、流通量も多いためデザインが豊富です。
メリット
- ✔デザインバリエーションが豊富
- ✔防火性能に優れる
- ✔施工実績が豊富で信頼性が高い
-
デメリット
✖定期的な塗装メンテナンスが必要
✖コーキングの打ち替えが頻繁
金属系サイディング
(きんぞくけい)
構造と特徴:
芯材(断熱材)を金属板で挟んだ構造となっており、アルミ・亜鉛・シリコン合金で表面を加工している「ガルバリウム鋼板」が主流です。
非常に軽量かつ断熱性に優れ、耐震性や省エネ性の面で注目されています。
耐久性は30~40年とされており、メンテナンスは10~15年ごとです。
初期費用は外壁材の中ではやや高価ですが、スタイリッシュなデザインを好む方に人気です。
メリット
- ✔断熱材一体型で高い断熱性
- ✔軽量で耐震性に優れる
- ✔凍害に強い
デメリット
- ✖傷からサビが発生しやすい
- ✖デザインの選択肢が限定的
タイル外壁
構造と特徴:
土や石などの自然素材を高温で焼き固めたタイルをモルタルなどで貼りつけて施工。
傷や汚れに強く、退色しづらい素材のためメンテナンスが最も少ない外壁材の一つです。
耐久性は50年以上とされており、メンテナンスはほぼ不要です。
初期費用は外壁材の中では高額ですが、見た目の高級感があり、長期的に美しさを保てます。
メリット
- ✔非常に長い耐用年数
- ✔色褪せ・劣化がほとんどない
- ✔高級感のある仕上がり
デメリット
- ✖初期投資が高額
- ✖目地のメンテナンスは必要
モルタル外壁
構造と特徴:
砂・セメント・水を混ぜたモルタルを、ラス網の上に左官職人が手作業で塗り仕上げる外壁。
継ぎ目がないため防火性や遮音性に優れ、自由なデザインも可能。
耐久性は20~40年とされており、メンテナンス10~15年ごとです。
初期費用は外壁材の中では中程度で、仕上げ方法により印象が大きく変わります!
メリット
- ✔継ぎ目がなく美しい仕上がり
- ✔デザインの自由度が高い
- ✔耐火性に優れる
デメリット
- ✖ひび割れが発生しやすい
- ✖職人の技術に左右される
ALC外壁
構造と特徴:
セメント・珪石・石灰などにアルミ粉を混ぜて化学反応で発泡させ、気泡を含んだ軽量ブロック状に形成した外壁材。
断熱・遮音・耐火・耐久性能においてバランスの取れた高機能素材です。
耐久性は40~50年とされており、メンテナンス10~15年ごとです。
初期費用は外壁材の中では高価ですが、環境にやさしい素材を使用しているため健康面でも安心です。
メリット
-
- ✔断熱・防音性に優れる
- ✔軽量で耐震性が高い
- ✔耐火性能が優秀
デメリット
- ✖吸水性が高い
- ✖初期費用が高額
樹脂系サイディング
-
構造と特徴:
PVC(塩化ビニール樹脂)でできた軽量で柔軟性のある外壁材。
アメリカ・カナダでは普及率が非常に高く、凍害や衝撃に強いことから寒冷地にも適しています。
日本では施工業者が少なく希少。
耐久性は30年以上とされており、メンテナンス10~20年ごとです。
初期費用は外壁材の中では割高ですが、塩害にも強いため海沿いの家にも適しています。メリット
- ✔凍害・塩害に強い
- ✔メンテナンス頻度が少ない
- ✔サビ・ひび割れしにくい
デメリット
-
- ✖施工業者が限定的
- ✖デザインバリエーションが少ない
外壁材詳細比較表
外壁材 耐久性 メンテナンス周期 初期費用(㎡単価) 断熱性 防音性 デザイン性 窯業系サイディング 30~40年 7~10年 3,000~6,000円 ★★☆ ★★★ ★★★★★ 金属系サイディング 30~40年 10~15年 5,000~10,000円 ★★★★ ★★★★ ★★★ タイル 50年以上 ほぼ不要 8,000~15,000円 ★★☆ ★★★ ★★★★★ モルタル 20~40年 10~15年 4,000~8,000円 ★★☆ ★★★★ ★★★★ ALC 40~50年 10~15年 7,000~12,000円 ★★★★★ ★★★★★ ★★★ 樹脂系サイディング 30年以上 10~20年 6,000~9,000円 ★★★ ★★★ ★★☆ ※評価は★1~5段階で表示。価格は標準的な製品での概算です。
外壁材を選ぶポイント
外壁材は見た目だけでなく、耐久性・断熱性・維持費など暮らしの快適さや将来のコストに大きく影響します。
後悔しない外壁選びのためには、性能やライフスタイル、予算に合わせて総合的に判断することが大切です。
ここでは、選ぶ際に意識したい主な4つのポイントをご紹介します。
①耐久性とメンテナンス性
🟥長期間メンテナンスの手間をかけたくない場合
- タイル:50年以上の耐久性、メンテナンスほぼ不要
- 樹脂系サイディング:凍害・塩害に強く、メンテナンス頻度が少ない
- 金属系サイディング:15〜20年の塗装周期で比較的長持ち
②予算とコストパフォーマンス
🟥予算に応じて何を重要とするのかで最適な選択をしたい場合
- 初期費用重視:窯業系サイディング
- ランニングコスト重視:タイル、樹脂系サイディング
- バランス重視:金属系サイディング、ALC
③断熱性と防音性
🟥住環境の快適性を重視する場合
- 高断熱:ALC、金属系サイディング(断熱材一体型)
- 防音性:ALC、モルタル、金属系サイディング
- 総合性能:ALC(断熱・防音・耐久性すべて優秀)
④デザインと仕上がり
🟥外観の美しさとデザイン性を重視する場合
- 高級感:タイル、ALC
- デザイン自由度:窯業系サイディング、モルタル
- ナチュラル志向:木質系サイディング(メンテナンス要注意)
2025年外壁リフォームのトレンド

人気カラートレンド
2025年は自然と調和するナチュラルトーンが主流となりそう。
特にアースカラーやグレー系のカラーが人気!
🎨ナチュラルベージュ・アースカラー
🎨ダークグレー・モダンブラック
🎨ダークグリーン(自然調和)
人気外壁材ランキング
🥇1位 窯業系サイディング
新築採用率約80%。デザインとコストのバランスが評価
🥈2位 金属系サイディング
断熱性能とデザイン性で急成長。リフォームでも人気
🥉3位 タイル外壁
高級志向の方に人気。メンテナンスフリーが魅力
2025年外壁リフォーム費用相場
リフォームを検討するにあたり費用に関しては一番気になるところではないでしょうか。
時期や地域、使う製品、施工会社など様々な条件によって価格は変動するためはっきり「〇○○円です!」とは言い難いのが正直なところ…。
その中で相場として参考にしていただきつつ、複数社見積もりをとって比べてみられることをおススメいたします!
塗装リフォーム費用
30坪住宅/80~140万円
40坪住宅/100~180万円
50坪住宅/120~220万円
※足場代、高圧洗浄、下地処理含む。面積、塗料グレードにより変動。
張り替え・カバー工法費用
カバー工法(30坪)/120~200万円
張り替え工法(30坪)/180~300万円
タイル張り(30坪)/250~400万円
※既存外壁撤去費用、廃材処分費含む。時期、材料グレードにより変動。
30年間ライフサイクルコスト比較(30坪住宅)
外壁材 | 初期費用 | メンテナンス費用 | 30年総額 | 年間平均 |
---|---|---|---|---|
窯業系サイディング(塗装) | 100万円 | 240万円 | 340万円 | 11.3万円 |
金属系サイディング(カバー) | 150万円 | 120万円 | 270万円 | 9.0万円 |
タイル(張り替え) | 300万円 | 30万円 | 330万円 | 11.0万円 |
ALC(塗装) | 140万円 | 200万円 | 340万円 | 11.3万円 |
💡ポイント:初期費用は高くても、メンテナンス頻度が少ない外壁材の方が長期的にはお得になるケースが多くあります。
まとめ
外壁材は“将来の暮らし”を左右する
外壁はただの「見た目」だけではありません。
断熱性や防音性、防災性能、そして10年・20年先のメンテナンス費用にも関わる、家の寿命と快適性に直結する要素です。
ご家族のライフスタイル・お住まいの地域性・将来の維持費などを総合的に考えたうえで、後悔のない外壁材選びをしていきましょう!
コスト重視の方
初期費用を抑えたい場合→ 窯業系サイディング
メンテナンス軽減重視
手間を最小限にしたい場合→ タイル・樹脂系サイディング
断熱・防音重視
住環境の快適性を重視→ ALC・金属系サイディング
デザイン・高級感重視
見た目の美しさを最優先→ タイル・天然素材